コラム・ 如何でしたか、2025年

2025年も残りあとわずか。例年にない酷暑から、秋はあっという間に過ぎ去って師走(しわす)を迎えました。この月は文字通り「師」(僧侶)が慌ただしく走り回ることから名付けられた様ですが、一般人もただ忙しいだけではなく、過ぎた一年を振り返り次に来る春への準備をする日本の歴史、文化に根差した重要な月と意識したいものです。
 自分も改めてこの一年を振り返って総括してみると中くらい満足の中庸の一年だったと感じている12月ですが、皆さんは如何でしたか?

 師走を感じるメッセージ(歳事)も変わってきています。従来は日常生活のケジメ、季節などの自然環境から得られる「忘年会」「大掃除」「年賀状」「紅白歌合戦」等が目安でしたが、最近はSNSの進化と共に「流行語大賞」「Z世代スラング」等に見られるマスメディアも含めた社会的情報からの話題も増加してきて「オールドメディア」「ぬい活」「てぇてぇ」「草」・・・・師走とは直接関係ないが歳末を感じさせない言葉の氾濫に高齢者は多少違和感をおぼえます。

 「光陰矢のごとし」「歳月は人を待たず」最近時間の経つのがものすごく早く感じ、日常生活で何かやり残している感じに襲われる事がしばしばです。友人によるとそれは「人生の残りが少なくなっての焦りだよ」と笑われます。正しくはフランスの学者ジャネーの発生メカニズムが定説の様ですが、一般的には歳とともに生活がマンネリ化してあたらしい体験が少なくなり時間の感覚がずれるのが原因とか。出来る限り刺激を得て短く感じる一日一日を大切にしたいものです。

 という事で今年も師走を舞台にした落語「芝浜」「文七元結(ぶんしちもっとい)」等、江戸庶民の暮れの人情話しで笑い・涙の刺激を受け、自分なりの2025年師走を締め、来る年に備えたいと思っています。 皆さん良いお年を!!

(S31年卒:超高齢会員)